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馬を走らせながら騎手が矢で的を射ぬく神事で、下鴨神社で行われる。境内の糺(たたず)の森の馬場で、狩装束姿の騎手が妙技を披露する。
流鏑馬は葵祭の道中をはらい清める神事。同神社では7世紀には既に行われていたとの記録がある。明治時代に一時中断したが、1973(昭和48)年に復活され、連休中の恒例行事として親しまれている。
糺の森に設けられた全長360メートルの馬場には、途中 100メートルおきに設けられた3カ所の的(50センチ 四方の木の板)を、つぎつぎと矢を射ぬいていく。見学は自由。
葵祭の斎王代(さいおうだい)以下、女人列に参加する40人の女性が身を清める神事。
毎年、上賀茂神社(京都市北区)と下鴨神社(左京区)の交代で行われる。2019年は下鴨神社が舞台となった。
斎王とは平安朝時代未婚の内親王が選ばれて奉仕した。現在は、代理として京都在住の一般市民から選ばれた女性が務める。十二単を着て境内の川や池で水に手を浸して身を清める御禊(みそぎ)を行う。見学は自由。
弓矢を使って葵祭の沿道を清める魔よけの神事。下鴨神社で行われる。
歩射神事は、3日に同神社で行われる馬上の流鏑馬に対して、地上で矢を射ることに由来しており、平安時代に宮中で行われていた「射礼(じゃらい)の儀」が始まりと伝えられている。
この日は本殿前での神事の後、次の儀式が行われる。見学は自由。
競馬発祥の地とされる上賀茂神社で行われる。
1馬身の差をつけて2頭の馬がスタート、差が広がれば前の馬の勝ち、狭まれば後ろの馬の勝ちとなる。勝った騎手(乗尻=のりじり)は賞の禄絹を鞭で受け取り、頭上で2回まわしたあと返す。馬には菖蒲がつけられている。
同神社の祭神・賀茂皇大神は競馬の守護神とされる。
葵祭を前に、下鴨神社の祭神の荒御魂(あらみたま)を比叡山山ろくの御蔭神社(左京区上高野)から下鴨神社に迎える神事。
約20キロあるコースを1963年以降は自動車列で練っているが、92年から一部区間で徒歩巡行を復活した。烏帽子(えぼし)、狩衣(かりぎぬ)姿の神職や氏子ら約100人が下鴨神社を出発。御蔭神社で荒魂を移した後、帰路最終の下鴨本通の北山通交差点付近から、下鴨神社までの約2キロを馬とともに徒歩で巡行する。
この後、神社境内の糺の森(ただすのもり)で荒魂を迎えた喜びを表す「切芝神事」があり、舞人が優雅な「東游(あずまあそび)」を奉納する。見学は自由。